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行方不明者がいる場合の相続

相続人の中に行方不明の人がいる場合、どうしたらいいですか?

状況によって異なりますが、最終的には家庭裁判所の手続きが必要となることがほとんどです。

   相続手続をしたいけれども、相続人の中に行方不明の人がいる場合、どのようにすればよいのでしょうか?

 

   銀行預金の解約にしろ、不動産の名義変更にしろ、遺言が無ければ、相続人全員の署名・押印が必要です。ですので、行方不明の人がいると、そのままでは手続を進めることができません。

   一言で行方不明と言っても、以下のように色々なケースが考えられます。

 

①住んでいる場所はわかってはいるが、居留守を使われている場合

→このような場合には、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てます。

   調停の呼び出しも無視した場合には、審判手続に移行し、裁判所が遺産の分け方を決めることになります。

 

②住んでいる場所がそもそもわからない場合

→このような場合には、弁護士に、相続人調査をしてもらうことが一般的です。

   ただし、弁護士の調査は、住民票上の住所の調査になりますので、住民票をそのままにしてどこかに行ってしまっているようなケースでは、以下の③に該当することになります。

 

③住所地におらず、行方不明の場合

→家庭裁判所に、不在者財産管理人の選任を申し立てます。

   その後、家庭裁判所に、遺産分割調停を申し立てます。遺産分割調停では、不在者の相続人の代わりに、裁判所で選任された財産管理人が出席することになります。

   ただ、この場合、不在者の相続分は、原則として法定相続分そのままということになります。

 

④長期間生死不明の場合

→家庭裁判所に、失踪宣告の申立をします。

   失踪宣告がされると、生死不明の状態になってから7年間が経過した時点をもって、死亡したものとみなされます。

   ただし、失踪宣告の手続は、人を死んだものとみなす、極めて重大な手続のため、警察に捜索願を出すように指示されたり、本当に生死不明の状態か否かの調査などがなされます。また、最終的に失踪宣告が確定するまで、長期間を要します。

   加えて、仮に失踪宣告の後でその人が現れた場合、法律関係が複雑になるなどのデメリットもあります。

 

   ただし、失踪宣告が認められれば、死亡したとみなされるため、もし相続開始前に死亡したとみなされた場合には、相続人では無くなることになります。

 

   いずれにせよ、相続人に行方不明の人がいる場合、ご自身だけで手続を進めることは困難です。お早めに弁護士に相談されることをお勧めします。

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