
弁護士に相談や依頼を初めてする場合、「できれば相談する分野に精通している弁護士に相談したいな」と思うのは当然でしょう。
もっとも、認定医制度がある医師の場合と異なり、弁護士の場合、分野ごとの認定弁護士のような制度はありません。そのため、どうやって自分の相談分野に強い弁護士を探したらよいのかわからない人も多いでしょう。
実は、分野によって、弁護士の探し方が異なってくることがあります。
①離婚、相続、交通事故、貸金などの分野
医師で例えると、インフルエンザや腰痛といった、それほど珍しくない分野であり、ある程度裁判例や相場が確立しいるため、弁護士の「実力」によって結果に大きな差が出ることはあまり多くありません。
そのため、話がわかりやすいか、相談しやすい場所にあるか、親身になってくれそうかなど、弁護士の人柄や事務所へのアクセスなどを重視した方がよいことが多いです。
事務所WEBサイトに、当該分野の解説や費用面がわかりやすく書かれているかどうかもポイントとなります。
②労働問題、医療過誤、行政訴訟、建築紛争等の分野
これらの分野は、扱っている弁護士と扱っていない弁護士がはっきりと区別されることが多い上、たとえば労働問題ですと「労働者側の弁護士」と「雇用主側の弁護士」の立場が分かれていることが多いです。
事務所のWEBサイトなどに記載されていることもありますし、弁護士会の弁護士一覧ページなどから、取り扱い分野で絞り込んで探すことができることも多いです。
③国際法(渉外)関係、知財・特許関係、インターネット投稿削除関係などの分野
これらの分野は、病気でたとえれば脳神経とか心臓などの手術にあたり、扱っている弁護士が多くはありませんし、弁護士の実力差も出やすい分野です。
また、地方では扱っている弁護士が特に少なく、扱っている弁護士は都心部に多い傾向があります。
場合によってはネット等で検索をして、都心部に相談に行く必要があるかもしれません。
弁護士を探す際の参考にしてみてください。
最終更新日:2025年5月12日 執筆者:弁護士中井陽一