
最近では、「全国対応の弁護士」とか、「LINEで依頼OK!」というようなうたい文句の弁護士が増えてきました。
筆者の個人的な感覚ですが、弁護士への依頼を考えている場合、少なくとも最初は実際に会って直接相談をして依頼をするかどうかを検討されることを強くお勧めします。
メールやLINE、ZOOMなど、様々なコミニュケーションツールが普及していますが、やはり直接会って話をした際に受け取る・感じることができる情報量は圧倒的です。
特に、お互いがある程度知った状態であれば、LINEやZOOMでも問題ありませんが、面識がないなかでいきなりビデオ会議で面談をしても、どうしてもぎこちなくなったり、わかりづらくなってしまう面は否めません。
研修の講義のような一方的な発信であればあまり問題はないのですが、法律相談のような双方向のやりとりの場合、対面のスムーズにはかなわないと思っています。
誰かとお付き合いをするときに、最初からいきなり遠距離恋愛って難しいですよね。
でも、何回か会って仲良くなってからなら、ビデオ通話やチャットでの遠距離恋愛でもうまくいきやすいと思います。弁護士に依頼するときも同様ではないでしょうか。
また、弁護士への依頼って、人生にとってそれなりに大きな出来事である人が多いです。しかも、弁護士費用も着手金と報酬を合わせれば数十万円以上はする高い買い物ですし、実際に依頼する請求自体は、たとえば不貞行為の慰謝料請求なら100万円とかそれ以上する可能性だってあります。
一般的に、数十万とか数百万円するような買物を、ネットやLINEの情報だけで決めるのってちょっと躊躇しますよね。特に、パソコンのように品番と仕様がわかれば届く品物が想像できる物ではなく、弁護士への依頼ってハンドメイドの商品を買うようなものです。
ですので、これから民事裁判のIT化などがどんどん進んで行きますが、いざ弁護士に何かを依頼したいという場合には、まず最初の弁護士選びの際には、実際に弁護士と直接会って話してみることを強くお勧めします。
ちなみに、依頼後は、直接会う以外にも、電話・メール・LINEなど、様々な方法で弁護士と打ち合わせや質問ができた方が便利だとは思います。その点、どのような手段で依頼後の弁護士とのコミニケーションが可能なのかは、相談時にきっちりと確認した方がよいと思います。
執筆者:弁護士中井陽一 最終更新日:2025.4.4