最近では、インターネット上の掲示板で質問を投稿すれば、登録している弁護士が無料で掲示板に回答してくれるサービスがあります。
代表的なものは、弁護士ドットコムの「みんなの法律相談」でしょう。
このような、無料の掲示板相談はどこまで有益かつ信用できるものなんでしょうか? 実際に回答もしている弁護士からの目線で解説します。
まず、回答者が弁護士かどうかわからないとか、回答者が実名でない掲示板は、法律問題に関しては非常に信用性が低いです。yahooの知恵袋などは典型例ですね。
たまに筆者もyahooの知恵袋をのぞき見することがありますが、たとえば離婚問題ですと、離婚を経験した当事者の方が「私のときはこうだったからこうだ」と回答しているのですが、専門家である弁護士からみると、「いや、それは必ずしもそうじゃないのに」と感じることが多々あります。
他方で、弁護士ドットコムのみんなの法律相談のように、弁護士が実名で回答している場合、弁護士としても誤った回答やでたらめの回答をしていると信頼度が落ちますので、弁護士である筆者が他の弁護士の回答をみても、「なるほど、確かにそうだよね」という回答が多いです。
ただ、法律問題は、色々な事情をきっちりと聞かないと、正しい適切な回答はできません。
当事務所が初回無料相談を1時間としているのも、対面で1時間じっくりとお話を聞かないと、なかなか適切なアドバイスができないと考えているからです。
掲示板の質問の投稿だけですと、他にどのような背景事情や経緯、条件があるのかもわかりませんから、弁護士の回答としてはあくまで「一般論」の範囲に留まることがほとんどです。
したがって、専門家からみて、無料の法律相談掲示板は、たとえば「これは弁護士に相談すべきかどうか」を判断する最初のきっかけとして投稿してみるのはよいかもしれませんが、実際に法律問題に遭遇して、専門家に具体的なアドバイスをもらいたい場合にはそれほど役には立たず、やっぱり弁護士と会って1時間相談をしてアドバイスをもらう方が、ずーっと充実したアドバイスがもらえると思います。